東京都知事選を終えてのまとめ 2014.02.12
トピック「投票」について
この記事は私の2月9日のツイートを再編集し、大幅に加筆したものになっています。
2月9日に東京都知事選が行われ、無所属で自民党と公明党の支援を受けていた舛添要一さんが初当選を果たしました。
今回は、この東京都知事選を次の4つのポイントから振り返ってみようと思います。
① 舛添さんの「勝因」と 掲げていた「公約」
②「低かった投票率」と「組織票」
③ 有権者は何を重視していたのか
④ 今回の都知事選とマスコミ
① 舛添さんの「勝因」と 掲げていた「公約」
自民党東京都連と公明党東京都本部が推薦し、選挙戦中盤には両党の党首が舛添氏と共に街頭演説を行うなど、全面的に支援しました。
また、民主党の支持団体である連合東京も舛添氏を支援しました。
舛添氏は自民党や公明党の支持層のほか、特定の支持政党を持たない、いわゆる無党派層などからも一定の支持を集め、初めての当選を確実にしました。
引用元: 東京都知事選 舛添要一氏が当選確実 NHKニュース
このように、舛添さんは特定の政党からだけではなく、無党派層からも支持を集め、他の候補者を大きく引き離しました。
次に、どのような公約を掲げていたのか、確認してみましょう。
1. 史上最高のオリンピック・パラリンピックで東京の魅力を世界へ発信
2. 大災害にも打ち勝つ都市
3. 安心、希望、安定の社会保障
4. 中小企業の育成と世界をリードする国際競争力のある産業・人材都市
5. 世界に通用する人材の育成と骨太の教育改革
6. 日本を支え、変える東京外交
7. 新たな政治主導モデルの実践
※詳しくはリンク先を参照
私としては、舛添さんはこの中でも特に「社会保障」について強調していたという印象があります。厚生労働大臣の経験を踏まえて、これから多摩などのニュータウンで高齢者が増えて超高齢社会になっていくことへの対策をより進めていくと何度もおっしゃっていました。
②「低かった投票率」と「組織票」
東京都知事選の確定投票率は46・15%、前回を16・45ポイント下回り、過去3番目の低さ。
引用元:都知事選の確定投票率は46・15% - 47NEWS(よんななニュース)
今回の選挙の最終的な投票率は46.1%と、かなり低くなりました。一般に選挙では投票率が低いほど組織票*1の力が大きくなります。
先に述べたように、舛添さんは自民公明両党から支持・支援を、得票数2位となった宇都宮さんも共産党と社民党からの支持・支援を受けており、今回の選挙の組織票の強さが印象づけられました。
③ 有権者は何を重視していたのか
朝日新聞社が9日、都内180投票所で実施した出口調査(有効回答7466)によると、上位4候補の年代別の得票率はグラフのようになり、当選した舛添要一氏は年代が高くなるにつれて得票率が上がり、高齢層に圧倒的な強みを発揮した。
引用元:舛添氏、高齢層から圧倒的な支持 都知事選出口調査分析:朝日新聞デジタル
出口調査を見ていると、舛添さんは60代以上から圧倒的な支持を集めていました。このことから、高齢者への福祉や医療の強化に期待する人が多かったのだと思われます。
また、
九日投開票された東京都知事選で、原発「即ゼロ」を訴えた前日本弁護士連合会長の宇都宮健児氏(67)、元首相の細川護熙氏(76)の合計得票は約百九十三万八千票となった。初当選した元厚生労働相の舛添要一氏(65)の得票数に十七万票差に迫り、ほぼ拮抗(きっこう)した。原発再稼働に前向きな安倍政権に「待った」をかけたい民意が意地を示した形だ。
引用元:東京新聞:原発「即ゼロ」193万票 舛添氏得票211万票に迫った:社会(TOKYO Web)
といった記事から分かるように、原発の存続or廃止についても重要な判断材料になったといえるでしょう。ここの意見の違いは有権者の選択肢を広げたと思います。
④ 今回の都知事選とマスコミ
候補者(得票数降順) 得票数 党派名 1 ますぞえ 要一 2,112,979 無所属 2 宇都宮 けんじ 982,594.767 無所属 3 細川 護熙 956,063 無所属 4 田母神 としお 610,865 無所属 5 家入 かずま 88,936 無所属 6 ドクター・ 中松 64,774 無所属 7 マック 赤坂 15,070 スマイル党 8 鈴木 たつお 12,684 無所属 9 中川 智晴 4,352 無所属 10 五十嵐 政一 3,911 無所属 11 ひめじ けんじ 3,727.207 無所属 12 ないとう ひさお 3,575 無所属 13 金子 博 3,398 無所属 14 松山 親憲 2,968 無所属 15 根上 隆 1,904 無所属 16 酒向 英一 1,297 無所属
今回の選挙では、公示直後から多くのマスコミが「4大候補」として、舛添さんなどの4人を集中的に取り上げたりスタジオに招いたりしました。このことが4人の得票率に直結しているのは開票結果から明らかだといえるでしょう。
しかし、今回の選挙に立候補したのは16人。私が見た限り、候補者全員を平等に扱っていたのは一部のネットのメディアなどと政見放送くらいだと思います。尺に限りがあるためかもしれませんが、このことについてはマスコミに公平性を疑いました。